この本では、そもそも為替とは何かというところから始まり、為替はなぜ動くのか、そして為替レートを予測する秘訣まで書かれています。FXトレーダーにおすすめの本です。各国の通貨の特徴についても書かれています。このブログでは、この本で特に重要な部分を取り上げます。
本の目次
序章 為替で儲けるために一番大切なこと
第1章 外国為替市場をのぞいてみよう
第2章 為替はなぜ動くのだろう?
第3章 通貨の需要を生み出す「実需」について知っておこう
第4章 実需期待で投機するって、どういうこと?
第5章 為替には政府・中銀の意向も反映される
第6章 テクニカルで投機するって、どういうこと?
第7章 為替レートを予想する秘訣をおさえよう!
第8章 各国の通貨の見方を知っておこう
付録 経済指標って何だろう?
そもそも為替って何だろう?
為替の本来の意味は、「現金を使わずにお金を支払ったり、受け取ったりすること」です。例えば、電気料金や水道料金は、銀行から決められた日に引き落としされます。これも為替のひとつ。為替という仕組みが作られたのは、支払いのたびに、現金を持ち運ぶのが大変なためです。
為替には同じ国の中でお金をやり取りする内国為替と、他の国との間でお金をやり取りする外国為替の2つがあります。為替というと、外国為替のイメージが強いですよね。外国為替が内国為替と違うのは、お金を支払う側の国と、お金を受け取る側の国が違うことです。
自分のお金を、外国で使われているお金に換えるには、2つのお金をどれくらいの割合(比率)で交換するかを決める必要があります。この交換割合を表したのが為替レートです。
価格の大原則は「需要と供給」の関係
スーパーや八百屋で売られているリンゴやみかんには価格がついています。リンゴ1個100円など。そして、株式や債券、為替レートなの金融市場で取引される金融資産にも価格が付いています。
じゃあ、それらの価格がどう決まるのか?需要が高ければ価格は上がり、需要が低ければ価格は下がります。
誰もが日々、行っている経済活動
簡単に言えば、経済活動とは、何かを売ったり買ったりする。日本で生活する私たちは日本円を使うことがほとんど。日本以外の人や企業を相手に経済活動する時には、日本円を他の国の通貨に換えたり、他の国の通貨を日本円に換える、いわゆる為替取引の必要性(需要)が生まれます。これが為替の実需です。
実需と投機では取引のタイミングが違う
実需の場合、取引のタイミングに強くこだわることなく計画通りにたんたんと為替取引が実施されます。
一方、投機による為替取引の場合、利益を得るために実需による為替取引より一歩から二歩くらい先に取引をすることが大事になります。投機はつまり、FXトレーダーのことを言っています。
金融政策のツールである政策金利とは
一般には、世の中に出回っているお金の量が多いと物価が上がりやすく、反対だと、下がりやすくなると考えられています。そこで中央銀行は金融政策の一つとして、政策金利と呼ばれる金利を変えることで、世の中に出回っているお金の量を調整します。
物価が上がりすぎたと判断すれば、中央銀行は政策金利を引き上げ、世の中に出回るお金の量を増えにくくし、物価が上がりにくくなるようにします。
過去の値動きに注目するテクニカル
テクニカルとは、為替レートの過去の値動きに注目し、過去の値動きから今後の値動きを予想することです。テクニカルの根底には、過去は繰り返される、という考え方があります。
為替市場の市場参加者のほとんどは、チャートと呼ばれる為替レートの過去の値動きを記したグラフをみて、過去の値動きを確認しています。
市場参加者の多くがテクニカルを通じて、為替レートの先行きについて同じことを考えるのであれば、その考えを先回りすることで利益を得ることが出来ると考えられます。
為替レートは「テーマ」で動く
通貨の需要や為替レートを決めるのは、結局、為替取引をする市場参加者の多くの一致した意見や考え(総意)なのです。その時、市場参加者の多くが注目する内容や情報は非常に重要。それらは「テーマ」と呼ばれます。
英国の有名な経済学者ケインズは、為替レートの動きに関して、美人投票に例えました。これは、為替レートの先行きを当てるという賞品を得るためには、自分の考えを押し通すのではなく、他の多くの参加者がどのように考えて行動するかを推測することが大事であるということを意味しています。
各国の通貨の特徴
米ドル
米ドルは米国だけでなく、貿易や資本取引など国際的な取引でも使われる決済通貨として知られています。ドルは世界の人々や企業が持っている経済的な価値、いわゆる「富」の基準にもなっています。
ドルは世界経済の共通の物差しと言えます。ドルは世界の国、企業、人々が所有する「富」を保存する役割もあります。
ユーロ
ユーロはドルに次いで為替市場で多く取引される通貨で
す。
ユーロを導入するための条件
- 財政赤字をGDPの3%以内に抑える
- 累積債務残高をGDPの60%以内に抑える
- 物価上昇率(インフレ率)をインフレ率が最も低い3か国の平均よりも1.5%以上高くならないようにする
- 長期金利をインフレ率が最も低い3か国の平均よりも2%以上高くならないようにする
- 現在使っている通貨のユーロに対する動き(変動)を2年間、15%以内に抑える
英ポンド
ポンドの値動きは、他通貨に比べ大きい傾向にあります。ロンドン市場は他市場と比べ投機取引の割合が高いと言われており、ポンドはドルなどに比べ投機取引が多いとされています。また、ポンドは原油価格との連動性も強い傾向にあります。
豪ドル
輸出の多くが天然資源ということもあって、豪ドルは天然資源の価格と強く連動する傾向があります。また、オーストラリアの輸出は中国を始めとするアジア各国の景気に左右され、豪ドルに影響を及ぼします。
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